第20回個展『反魂』

20th solo exhibition “Resuscitation”

北海道札幌市に画廊喫茶チャオにて、制作活動10周年を記念して主にこれまでの作品を振り返る個展を開催し、新作5点含む16点出展いたしました。

会期:
2023年4月7日(金)〜4月22日(土)​

会場:
画廊喫茶チャオ
(北海道札幌市北区北24西4モンレーブ24ビル3F)

Session:
from Friday, April 22 to Saturday, Apryl 27, 2023
Venue: Gallery cafe CIAO
(Sapporo, Hokkaido, JAPAN)


〈会場設置文章〉
この度は高橋弘子第 20 回個展『反魂』をご覧いただき、誠にありがとうございます。 2012 年の中頃だったと思いますが、バスの待ち時間を過ごすために画廊喫茶と知らずにチャオに 入り、そこでチャオママと話すうちに「あんたも絵描けるんだったら今度グループ展とか出してみな い?」と言われたことからふんわりと高橋の制作活動は始まりました ( 最初のちょっとの間は断って いたかも…? 遠すぎる記憶 )。 初めての出展は2013年5月に開催した、久藤エリコさん、鼓代弥生さんとの三人展『MIXED MEDIA 展』(画廊喫茶チャオ)でした。2023 年現在の私は、「狼をよく描く作家」と認識されることも増えて
きた感じがありますが、狼を描き始めたのはこの最初の三人展の時で、なんとなく「狼描きたいな」と 思ったのが始まりです。特に狼に詳しかったわけではないので、「狼はどんな動物か」「文化的にどう 扱われているか」「日本での絶滅の経緯は」「狼を主題にして、自分には何を描けるか」を後から追い かけて描いてきた状態で、現在もそれは続いています。私が「どうして狼だったのか」の理由の根源に 行き当たった時には、もう狼を描かなくなるか、あるいは狼を描くことが加速するかのどちらかかなと 思っています ( 後者かも知れません )。 何やら不思議なものが一方的に私に命題を与えるのか、あるいは私が望むから命題を与えられる のか分かりませんが、今は、絵描きというものは「与えられた命題をこの世に出力させるための装置」 だと思っていて、その力をこれからも強くしていきたいと切に願っています。絵描きとしては鼻息の荒い 頃なのだろうなと思います。
10 年というとなんとなく「一巡した」という感じがします。ここまでの活動を振り返ってみても、勢いの ある時も勢いを失っている時も、描きたいものが溢れる時も描きたいものに迷う時もありました。こう した活力や迷いなんかのことも、月が欠けたり満ちたりしているように、上りも下りもあるのかも知れま せん。ここで一度、最初の朔日に戻る気持ちになって、また次の満月を目指して歩んでいこうと思う次第 です。これまでも「まさかこんな人生になるとは」と思いながら制作活動を進めてまいりましたので、 次の満月も、これまでに体験した満月とは違うものになっていることでしょう。 制作活動を始めた頃は、作品を掛けるための紐をつけることも、キャプションが何であるかも知らず、 また、「デパートでないところにも画廊、ギャラリーというものがあり、そこで絵を売買している」という ことも認識していない状態でした。試行錯誤の中、さまざまな展示会場の関係者の方々や、お伺いした 展覧会の作家さんたち、あるいは美術関係者による書籍や SNS 上の発言などに教えられ、今の活動が あります。ほとんど皆さん、多くのことを無償で教えてくださいました。この場を借りて感謝申し上げ ます。そして何より、私をこのような世界に導き入れてくれたチャオママに感謝です。これから先も、 引き続きお見守りいただけましたら幸いです。
2023年4月高橋弘子

会場風景1

会場風景2