高橋弘子作品展『景勝幻視』

Solo exhibition “Hallucination of scenic beauty”

北海道札幌市にあるグランビスタ ギャラリー サッポロにて作品展を開催中です。4m超の作品「景勝幻視」を中心に、19点展示いたしました。

会期:
2023年3月27日(月)〜5月17日(水)​

会場:
Hグランビスタギャラリー サッポロ
(北海道札幌市中央区北1条西4丁目 札幌グランドホテル 本館 1階)

Session:
from Monday, March 27 to Wednesday, May 17, 2023
Venue: Granvista Gallery Sapporo
(Sapporo, Hokkaido, JAPAN)


〈会場設置文章〉
この度は高橋弘子作品展『景勝幻視』をご覧いただき、誠にありがとうございます。
案内状にも起用した作品「景勝幻視」は2020年12月の個展『明明後日(みょうみょうごにち)』の際に描いた作品の一つです。「羽音」「銀幕」に描かれている、布を被った幽霊が、自分の正体もよく分からない状態でも人生を進めていかなくてはならない状況において、その幽霊の行先を予祝(よしゅく)する意味で、「景勝幻視」には松や鳳凰を配置しためでたさのある風景を描きました。
私たちは、時には案外と自分自身のことや自分自身の扱いを知らないように思います。「自分はなぜそれを美しいと感じているか(そのことが自分にとってどんなことか、役に立つのか)」「毎回同じものにイライラしてしまう気持ちをどうして解消できないか(感情の主体性を対象に受け渡していないか)」 「自分が何を願っているか(お金が欲しいのか、安定したいのか。大金が欲しいという場合、手に入ったら何をするつもりなのか)」「他人に何を期待しているか(任せるよ、と言う時、ほんとうに相手の選択に任せられるか)」。「どうしてそれを信じているのか(それを覆す情報が出てきた時に、いま信じている内容をどう扱うか)」。それから、「自分が生きていることで周りに何を振り撒きたいか(何が残ると思うか、または何が残ると希望するか。それとも、そんなことは拒否したいか)」。
皆さんのことは分かりませんが、私は、何を食べたいかと聞かれて「なんでもいい」と答える程度の時にでも、案外「なんでもよくはない」という心情だったりもして、その時、「自分はほんとうは何が食べたいのか」が分かっていなかったりします(ほんとうになんでもいい時もあります)。
予祝というのは願う結果を得られるために予め祝う行いのことですが、予め祝えるためには、願いが明確でなくてはなりません。
いま何を願っていますか。その願いが叶ったら、あなたの世界はどんなことになりますか。その時、その世界には何があって、どんな風景になっていますか。また、誰かの願いを叶えたいですか。その人の願いが叶えられた時には、そこにどのような景色が広がっていたらいいと思いますか。
2023年3月 高橋弘子

会場風景1

会場風景2