24th solo exhibition “松濤 SHOTO – The Soughing of The Wind in The pines” (Taiwan)
台湾台北市にあるギャラリー首都藝術中心 Capital Art Center にて、Giant Mango推薦作家として個展が開催されました。新作16点含め、30点程度を出展いたしました。
会期:
2024年12月6日(金)~12月28日(土)
会場:
首都藝術中心 Capital Art Center
(台北市大安區仁愛路四段343號2樓)
ディレクション:
Giant Mango
Session: Friday, December 6 to Saturday December 28, 2024
Venue: 首都藝術中心 Capital Art Center
(2F., No.343, Sec.4, Ren-ai Rd., Da’an Dist., Taipei, Taiwan)
Direction: Giant Mango
今年(令和六年)で47歳になりますが、恥ずかしながら「自分が本心ではどう思っていて、どう言いたいのか」や、「どこまでが自分の限界なのか」がまだ分かっていないなと思うことがまだまだあります。「そう思わなくてはならない」「堪えなくてはならない」「引き受けなくてはならない」などの思い込みを自分の本心であると考えてしまっている場合などです。
そうした思い込みをきっかけに成長できることや成し遂げられることもありますが、心のうちの違和感を抑圧するなど、よろしくない影響もあるなあとも思います。
「自分のことを意外と知らない」という話になると、実は「なぜ狼で描いているのか」ということの最終的な答えもまだ得られていないかも知れない状態です。ただ、狼について調べるうちに狼の生態の他、文化的な扱われ方や、地域によっては信仰の対象となっていることなどを知っていきました。
札幌という、そこそこの都市の中の住宅地で育った私には、動物や自然現象に対して畏怖、畏敬の念を抱いて信仰を組み立てるという感覚はないように感じています。昔の日本人は、自然現象や動物などをどのように捉えていたのか、そのような感覚は現代を生きる日本人の私にも受け継がれている部分はあるのだろうかとも考えています。
そうした流れから、この頃は、自分が日本人として何を引き継いてきているのかということも含めて考えながら作品を制作することが増えました。他の国の人に、「日本人はどんな人々です」とか、あるいは「私はどんな日本人です」と紹介するだろうか。
自分を知るということは、自分自身のこれからの目標や目的を明確にすることにもなり、身の回りの状況をより把握できるようにもなるのではないか。そして、身の回りの至る所にある人やものが、自分を知るための手がかりになると思っています。何をみてどう感じるか、何を言いたくなるか、何をしたくなるか…等々。それらを曇りない鏡で見るように見つめて受け止めることが肝要ではないでしょうか。
絵と向き合う行為もまた自分自身が何を見て何を感じる人間なのかを知る手掛かりと考えています。今回の個展では作品の命題は様々ですが、これらの作品も、鑑賞者それぞれにおける鏡としての機能を果たせればと願います。