Group exhibition “HOKKAIDO GENTEN” (Collaborative exhibit)
北海道札幌市のGALLERY ESSEにて開催される北海道現展に、協力出品の形で出展いたしました。
会期:
2024年9月17日(火)〜22日(日)
会場:
GALLERY ESSE
(北海道札幌市北区北9条西3丁目9-1 ル・ノール北9条 1階)
主催:
現代美術家協会 北海道支部
from Tuesday, September 17 to Sunday, September 22, 2024
Venue: GALLERY ESSE (Sapporo, Hokkaido, JAPAN)
《会場掲出文》
グループ展『第 45 回北海道現展』出展に寄せて
この度は作品をご覧いただきありがとうございます。
普段は狼を描くことが多いですが、他の動物や、竜など想像上の生き物も描いています。
私は最初秋田県で生まれたものの1歳半で札幌に引っ越してきており、昭和から平成にかけて、札幌の住宅地で育ちました。正月やひな祭りなどは一通り行う一般的な家庭と思います。しかし大人になってみて、テレビや書籍を通じてそれぞれの土地に連綿と続く習俗やお祭りなどを見聞きしているうちに、自分はそうした「この土地だから」というものや、「日本人だから」という感覚を強くは引き継いでいないかなと感じるようになりました。
昔の人が生活の中で自然や動物などをどのように見つめ て扱っていたのか、そしてそれを元に組み立てられた信仰や習俗にどのようなものがあるのかということに、この頃は興味があります(大陸などの文化から取り入れたものも多いかと思いますが)。
最近の作品において、日本で縁起が良いとされている松竹梅や鶴亀、竜、吉祥文様などの要素を取り入れているのもそのためで、そうしたモチーフをなぞることで、何か昔の人の感覚をなぞれないだろうか、あるいは日本人としての自然の捉え方、扱い方の根底となる価値観があるとしたら、それを思い出せないだろうかと考えています(最近は台湾への出展が多いので、「台湾のお客さん向けに和のモチーフで描いてるの?」と聞かれることもありますが…)。
今回は竜単体の作品にいたしました。竜もまた縁起の良いものとされますが、海や川、炎などの自然現象を竜になぞらえることもあるように、エネルギーの象徴の一つであるのかなとも思えます。ですがそれは「見聞きした知識」から発生していることで、私自身の中に「竜といえば水の神で…」といった感覚が根付いている訳ではありません。それは単に、生まれた環境に起因するとか、時代による変化とかによるだけのことかも知れませんが、「失われていっているものなのかな」と寂しくなることもあるのです。実際、竜はどのような姿でこの国にいることでしょう。
2024.9.17 高橋弘子