高橋弘子作品展『野流(やりゅう)』

Solo exhibition “Lower reaches of rivers”

北海道札幌市にあるカフェ北都館ギャラリーにて作品展を開催。新作7点含む24点のアクリル画を出展いたしました。

会期:
2023年8月30日(水)〜9月4日(月)

会場:
カフェ北都館ギャラリー
(北海道札幌市西区琴似1条3丁目-1-14)

From Wednesday, August 30, 2023 to Monday, September 4, 2023
Venue: Cafe Hokutokan Gallery (Sapporo, Hokkaido, JAPAN)


〈会場設置文章〉
この度は高橋弘子作品展『野流 ( やりゅう )』をご覧いただき、誠にありがとうございます。
 それほど波乱に富んだ人生という訳でもないと思いますが、日々の生活の中でさまざまな出来事に直面するたびに何かを学んだり、また、制作の過程でも着想を手がかりに何かを知ることになる機会は 間々あります。その時には以前よりもものを知ったような気持ちにもなりますし、実際に出来ることも増えていきますが、むしろ「まだ知らないことの多さ」も痛感します。
2022年秋に、羅臼で開催された「シャケサミット」においてシャケの水揚げ見学やシャケの加工を体験したり、千歳川でシャケの遡上を見るするなど、シャケについて見聞きする機会がありました。川で 孵化したシャケは海へ出て成熟したのち、産卵のために、生まれ育った川に戻り、その役目を果たします。これはもちろん、生物としてそのように設計されているからという面があることとは思いますが、自分の人生での役目を明確に理解し、遂行しているのです。
人間はシャケよりももっと複雑ですので単純な比較はできませんが、それにしても、私自身は自分の人生において、特に絵を描く行動において、何を遂行していくものなのかと思います。色々な作家さんがいるでしょうが、私においては、作家は「与えられる命題、得た命題をいかに出力するか、という装置」 であって、その装置としてどれだけの仕事が出来るかが肝要であると考えています(そして、その「出力」に必要な情報なども、常に何らかの導きがあって得られているように感じています)。
「野流 (やりゅう )」は、野の川や、河川の下流部をさす言葉です。私はまだ下流にいます。これまで 十年ほど制作活動を続けていて、その変遷を見ると、これからも絵の内容や技術的な面での変化はあることでしょう。まだまだ過程、という思いです。この、絵を描くという活動が私をどこまで連れていくのかまだ分からないところもありますが、行けるところまでは行ってみようと思います。引き続きお見守りいただければ幸いです。

会場風景1

会場風景2