第12回個展『幻の椅子−テレビとバナナとブーメラン−』

12th Solo exhibition “Phantom chair -television,banana and boomerang-“

会期:2017年9月25日(月)~10月7日(土)
会場:自由空間(札幌)

from Sep. 25 to Oct. 7, 2017
Venue:JIYUUKUUKAN(Sapporo City,Hokkaido,JAPAN)

 子どもの頃は(おそらくごく普通の)テレビっ子だったかと思いますが、ある程度大人になってからは、出題から解答の発表までがいやに間延びしたクイズ番組だとか、暴力的にも感じるお笑い番組だとか、芸能人のプライベートを繰り返し放送するワイドショーだとか、出演者のリアクションも台本で決まっているらしいとかで、なんだかつまらなくなって、テレビから離れてしまいました。そして、テレビに向かってああだこうだ言ってしまうこと、言っているのを聞くことも、嫌なことだと感じるようになってしまったのです。
 また年月が経って最近思うのは、自分がああだこうだと言ったこと(それは相手がテレビに限らず)が、大抵は自分にも言い得ること、ブーメランのように返ってきてしまうものだということです。それでもブーメランを投げなくてはならないことだったのか? 実は返ってくるそのブーメランは自分の都合を思えば、あるいは身の程を知れば言わない方がいいのか? あるいはその武器のようなものよりも、より友好の気持ちをもって、若干かたちの似たバナナでも差し出す方がいいだろうか。バナナだけを与えられらものは果たしてどうなるのだろうか。
 そして、「自分はああだこうだ言ってもいいのだ」と思えるのは何故なのか。裁定を下す何かのように、大きな椅子に座っている気分なのではないか。
 私は今でも、身の回りのいくつかのものにもああだこうだ言ってしまいます。それは時には厳しく自分に返ってきますが、それが私を育てることもあります。であれば私は、自分や、または自分以外の何かを育てられるように、何を投げたり差し出したりするだろうか。
 「ああだこうだ」言うこと、その中身をどうすれば、ただ攻撃するだけではないどこかの方向にいけるのだろうか。そのようなことを考えるこの頃です・

MEDIA COVERAGE

梁井 朗さま主宰:北海道美術ネット別館
■高橋弘子第12回個展『幻の椅子-テレビとバナナとブーメラン-』

“月日、山、影像、幻の椅子(Moon, mountains, statues, phantom chairs), 2017, 1800mm×4712mm, acrylic on canvas

exhibition hall

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